IPO調査隊

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2016年1月~9月のIPO状況:7年ぶり減少

IPO企業は減少

2016年1月~9月にIPOした企業は、56社と前年同期の62社から約1割少ない水準です。

1月~9月の時期としては7年ぶりの減少となりました。

IPO銘柄の物色も盛り上がっていません。

56社のうち約7割が2016年10月7日時点の株価で初値を下回っています。

上昇率(初値からの騰落率)上位

※2016年1月~9月にIPOした銘柄が対象、騰落率は初値と7日終値を比較

  1. 農業総研(3541):192%
  2. チェンジ(3962):90.1%
  3. ベガコーポ(3542):78.0%
  4. リファインV(6531):74.0%
  5. 串カツ田中(3547):64.5%

上昇率トップは、農業総合研究所(3541)でした。

産直野菜の委託販売などを手がけている会社です。

農業総合研究所のように農業に特化しているベンチャー企業は少なく、テーマ性もあるため、今後の成長性への期待から買いが続いています。

2位のチェンジ(3962)はIoT関連として物色され、5位の串カツ田中(3547)は既存店売上高の増加が好感されました。

上場して間もないこともあり、まだ個人投資家の投資資金が向かっています。

下落率上位

※2016年1月~9月にIPOした銘柄が対象、騰落率は初値と7日終値を比較、▲は下落

  1. アグレ都市(3467):▲75.9%
  2. HyAS&C(6192):▲61.6%
  3. AWSHD(3937):▲59.7%
  4. フィット(1436):▲57.2%
  5. ジェイリース(7187):▲55.4%

初値からの騰落率で見て、下落率の首位は、戸建て住宅販売のアグレ都市デザイン(3467)です。

3月の上場初日には、公開価格の2倍にあたる3,505円の初値をつけました。

しかし、その後は低迷しました。

相場の地合いが良いときに上場し、初値が想像以上に高騰したものの、その後の買いが続く材料がなかったのが要因です。

ハイアス・アンド・カンパニー(6192)は6割安で、下落率は2位となりました。

地方の中小工務店の経営を支援する会社で上場2日目に初値を付けました。

公開価格の2.9倍と急騰しましたが、その後は一転して見切り売りが膨らみました。

短期売買を手がける個人投資家の物色の矛先がバイオ関連やポケモンGO関連などのテーマ株に向かったのも要因です。

IPO減少の背景

IPOが減少している背景には、上場審査の厳しさが増していることが挙げられます。

上場直後の業績予想の下方修正や不適正な情報開示が増えていることを受け、日本取引所グループなどが上場審査の厳格化に動いています。

また、公募価格の低下で上場するインセンティブが働きにくくなっていることも挙げられます。

値動きもさえません。

前述の通り、1月~9月にIPOした56銘柄のうち、約7割の37銘柄は足元の株価が初値割れとなっています。

今後のIPO市場

2016年10月は、九州旅客鉄道などの大型IPOも含む6社の新規上場が予定されています。

ただし、相場の方向性は不透明で上場申請が停滞している企業も多くあります。

このペースで行くと、今年のIPO数は昨年の92社に届かない可能性も高いと言えそうです。